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2021.06.18

パターンマッチング型外観検査ソフトウェア EI710における3種類のトリガーモード

今回はカメラのトリガーモードと、各モードに適した用途についてお話したいと思います。
トリガーモードのことがわかると、用途に応じた検査システムの構築ができるようになります。
トリガーとは英語で「Trigger」と書き、カメラが画像を取り込むタイミングを決める「引き金」という意味を持っています。

以下が3種類のトリガーモードです。

1)トリガーなし

いきなり「トリガーなし」とはトリガーモードではないじゃないかとお叱りを受けそうですが、EasyInspectorではこの状態でご使用頂くケースが最も多いので書かせて頂きました。
「トリガーなし」とは、カメラから常に動画として画像を取り込んでおり、ボタンや通信コマンドで検査開始の命令を受けた時に、 「今現在」動画として取り込んでいる画像の1フレームを取り出して画像処理にかける方法です。

メリット

  • Webカメラをはじめとした多くのカメラに対応しています。そのため最も安価に検査システムを構成することができます。

デメリット

  • 常に動画として画像を取り込んでいるため、CPUの負荷が大きく、接続できるカメラの数に制限があります(一般的に2 , 3台程度)。
  • カメラで撮影された画像が実際にPCに動画として取り込まれるまでのタイムラグ(30万画素で0.2秒、300万画素で1秒程度)があるため、 検査品を置いてすぐ検査を開始するとタイムラグにより手が写ってしまったりします。

用途

  • 止まっている状態で検査できるもの。
  • 検査品を置いた後に1,2秒待ってから検査できる比較的ゆっくりした検査。

2)ソフトトリガー

検査開始時に、ソフト側から「画像を一枚撮影して送ってこい」という命令をカメラに送り、1枚だけ画像を取得して画像処理にかけます。

メリット

  • 動画で取り込む方法に比べてCPUの負担が小さく、より多くのカメラを接続することができます。
  • 検査開始の命令をもって画像を1枚だけ取り込むため、タイムラグの心配がありません。

デメリット

  • 次に説明する「ハードトリガー」と比較すると、撮影タイミングに少々のブレがあります。そのためコンベアー上を移動している物体を検査する用途には適さない場合があります。
  • 対応しているカメラが少ないです(機種についてはお問い合せください)。
  • カメラ自体の価格が高めです。

用途

  • カメラ台数を多くしなくてはならない検査。
  • 物を置いてすぐ撮影したい場合。
  • PLCなどの外部機器やアプリケーションとタイミングを取りながらの検査。

 

3)ハードトリガー

画像取り込みのきっかけとなる信号が直接カメラに伝達されます。
ソフトトリガーが「ソフトの命令によりカメラが撮影する」のに対し、ハードトリガーは「カメラに直接入る信号によりソフトの命令なしに撮影する」という動作になります。

人に例えると、ソフトトリガーは脳からの命令でボールを蹴る動作、ハードトリガーは脚気(かっけ)の検査のように膝を叩かれると脊髄反射的に足が上がってしまうような動作です。

この時、カメラはソフトの命令なしに勝手に撮影を行いますので、勝手に撮った画像をソフト側に送りつけるという動作になります。ソフトは送りつけられた画像を処理し、合否判定します。

メリット

  • 画像取り込みの信号がカメラに直接行くため、非常に厳密にタイミングを取ることができます(信号が入ってから0.0001秒後に撮影開始など)。
    そのためコンベアー上の移動体でも光電センサーで確実に捉えて撮影することができます。

デメリット

  • カメラに信号を入れるためのセンサーの設置、回路の製作や配線が必要になります。
    (SNiPER2はハードトリガーを採用していますが、電気的な知識が必要になる周辺回路を一体化してセンサーの設置のみで使えるようにしています。)
  • 対応しているカメラが少ないです(機種についてはお問い合せください)。
  • カメラ自体の価格が高めです。

用途

  • コンベアー上の移動体の検査。
  • 検査頻度が1秒未満の検査。

お問い合せ頂けましたらお客様ご用途に合う構成を提案させて頂きます。

 

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