2021.06.18

自動画像寸法測定器について

製造する製品や部品が仕様通りの寸法に製造できているかを確認する寸法検査は、製造現場において重要な検査です。
計測器を使用して、ヒトが測定する検査は今でも主流ですが、時間がかかること、また読み間違いなどのヒューマンエラーによる検査ミスも発生します。

 

現在では画像中での寸法測定が進んでおり、効率よく、ヒューマンエラーのない寸法測定が実現できるようになりました。
そこで今回は、自動画像寸法測定器による寸法検査の仕組み、メリット、導入するポイントをご紹介します。

1.自動画像寸法測定器の仕組み

寸法測定器では、画像処理による寸法測定を行うことが一般的です。画像処理による寸法測定の仕組みをご紹介致します。

①エッジ検出

エッジというのは画像内で白色と黒色の濃淡が大きく変化している境界部分のことを指します。エッジ検出を行います。画像処理による寸法測定では、このエッジ検出が重要です。
下記画像を見てください。

このように、白色と黒色の濃淡が大きく変化している境界部分を検出することで、測定対象物の形状を鮮明に検出できます。

②エッジを基準とした各種寸法測定

エッジ検出で検出したエッジを基準として各種寸法測定を行います。
エッジからエッジまでの寸法距離の測定、角度の測定、円のR(半径)や直径、エッジ間の交点を計算して測定するなど、エッジを基にして様々な寸法の測定を瞬時に行い、寸法公差内におさまっているかどうかを判定します。
もちろん測定にはガラススケールやゲージブロックなどによる校正作業が必要です。
このように、エッジ検出⇒各種測定を瞬時に行い寸法測定の自動化と高速化を実現するのが、自動画像寸法測定器の仕組みです。

2.自動画像寸法測定器を導入するメリット

自動画像寸法測定器にはどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

①検査時間の短縮

自動画像寸法測定器はカメラセンサによって画像を取得し、瞬時に寸法測定を行うことができます。そのため、自動画像寸法測定器を導入すれば、ヒトの手で検査を実施した場合と比較し、大幅に検査時間を短縮することが可能です。検査をヒトの手で行っていると検査工程で歩留まりが発生する場合が多く見られますが、自動寸法測定器を導入することで、他の製造工程の生産スピードに合わせてスピーディーに効率よく、寸法測定が行えます。

②ヒューマンエラーの排除

ヒトによる寸法検査を行っている場合、検査担当者のレベル差によるバラつきが必ず発生します。教育訓練で補うこともできますが教育訓練は相当な時間を要します。
また、同一人物であっても、長時間の連続作業によって、体調によって、気分のムラによって集中力が切れ、測定ミスを起こし、いわゆるヒューマンエラーで不良品がスルーする可能性があります。
しかし、自動画像寸法測定器を導入すれば、あらかじめ設定したOK/NG判断基準を元に寸法検査を行うため、安定した品質を保つことが可能です。
また、その寸法測定やOK/NG判定は機械が動作するため、ヒトは疲れることなく正確に寸法検査をし続けることができます。

③人件費の削減

検査工程での歩留まりを解消するため、検査員数を増やすことも多く見受けられます。
自動寸法測定器を導入すれば、人が行う作業は装置の操作とワークの搬送のみとなり、検査人員を削減できます。また検査技能レベルの高い方は人件費も高騰しがちですが、これならレベル差も気にする必要はなくなりますね。

3.自動画像寸法測定器を導入する上でのポイント

ここでは、自動画像寸法測定器を導入する上でのポイントを紹介します。

①最適なカメラの選定

カメラは撮像したエッジを画像処理して寸法を測定するため、カメラの画素数(ピクセル)や能力によって測定できるものや精度が変わります。
具体的には画素数、カラーかモノクロか、フレームレート(転送速度)、センサーサイズなどが影響します。
弊社の自動画像寸法測定器ではそのモデルによって
500万画素USB3.0カメラや2000万画素USB3.0カメラを使用しています。

②最適なレンズの選定

レンズはカメラに撮像(フォーカスを結んで結像)するために必須なモノですがレンズは用途によって様々な種類があり、その選定には知識を要します。
具体的には撮影距離、撮影範囲(倍率)、明るさ、レンズ自体の解像度、レンズの結像方式、カメラセンサーサイズとの相性などが影響します。
弊社の自動画像寸法測定器ではそのモデルによって両側テレセントリックレンズや固定焦点レンズを使用しています。

  • 両側テレセントリックは像が歪まず、寸法計測に最適なレンズ
  • 固定焦点レンズは像は歪んでしまうが広い視野を撮影できるレンズ

※固定焦点レンズは像が歪み測定精度に影響を及ぼすため、レンズ歪み補正を掛けます。

③最適な照明の選定

寸法検査を行うにあたって、正しいエッジ形状を検出するためにはワークを映し出す照明の選定も重要です。
具体的には自動画像寸法測定では透過光(バックライト)を使用しますが、レンズに対して平行光線でない場合、エッジ形状は歪んでしまうため、さらに平行光である必要があります。
よって弊社、自動画像寸法測定器では平行光照射タイプのバックライト照明を使用しています。

④最適なスタンドの選定

上記①~③が揃ったとしても、カメラや照明が水平でなく固定されていた場合、測定精度に影響を及ぼします。
弊社の自動画像寸法測定器ではモデルによって目的も異なるため、各種最適なスタンドをご準備しております。

⑤最適な校正器の選定

校正器は正しく寸法計測、いわゆる高精度に寸法計測ために絶対不可避であるモノです。
弊社の自動画像寸法測定器ではモデルによって、目的や用途が異なるため、各種最適な校正器を付属させています。

4.まとめ

上記のように自動画像寸法測定を行うためには様々な各パーツの選定が必要です。
この選定には光学知識やノウハウが必須であり、各パーツ同士のバランスも検討する必要があります。

ですが弊社の自動画像測定器であれば全てシステム内容にセットされています。
もちろんそれぞれの各パーツごとの組合せバランスを鑑みたシステム構成になっております。
デモ機がございますので、実際にお貸出しにてご評価下さいませ。

  • ST1 OO×OOmm
    両側テレセントリックレンズ、平行光照明採用 高精度スタンダードモデル
  • ST2 OO×OOmm
    両側テレセントリックレンズ、平行光照明採用 高精度ちょこっとワイドモデル
  • Wide OO×OOmm
    レンズ歪み補正、高さ校正で立体形状でも寸法計測できるモデル
  • Long OO×OOmm
    正方形、長方形薄物シート状の縦と横だけ寸法測定モデル

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