2021.06.18

自動画像寸法測定器への置き換えについて

製造現場において寸法計測では計測器をご使用されているのではないでしょうか?
ノギス、曲尺、ゲージなど・・・・。

ノギス、ゲージ、巻き尺

 

そういった計測器を使って、ヒトが計測する寸法検査は主流ですが、時間がかかること、また読み間違いなどのヒューマンエラーによる検査ミスも発生します。
そのため計測器から自動画像寸法測定器に置き換えたいと考えている方が多いです。

ただ自動寸法測定器は世の中に種類が多く、最適な物を選ばなければ余計に負担を掛けてしまうこともあります。
計測器から自動画像寸法測定器に置き換える際の注視すべきポイントがあります。

画像寸法測定器の置き換えに重要なポイント

1.計測サイズ

自動寸法測定器は世の中に種類が多くありますが、まず一番にその自動寸法測定器が測定できる範囲やサイズが重要です。
測りたい長さに対応していないと測定できないのは言わなくてもお分かりだと思います。
ただし、この計測サイズによって、精度が影響します。

2.測定の精度

①レンズ編

自動寸法測定器が計測するサイズによって精度が異なります。一般的にはサイズが大きくなるほど、精度が落ちる可能性が高くなります。
これは計測サイズによって、組込むカメラやレンズが異なるため、精度がどうしても異なります。
たとえば150mm程度の計測であればレンズは両側テレセントリックレンズを組み込むことができます。
テレセントリックレンズとはレンズ歪みが極端に抑えられ、平行光線として撮像できます。
またレンズの被写界深度(ピントが合う範囲)内では像の寸法変動がありません。高精度な寸法計測に最適なレンズです。

両側テレセントリックレンズ 両側テレセントリックレンズ

 

平行光透過照明 平行光透過照明

 

②校正スケール編

画像中寸法計測に置いて、校正用スケールは必須です。両側テレセントリックレンズを使用した弊社ST1ST2には校正用ラススケールが標準付属。この校正用ガラススケールは外部校正機関にて校正証明書の取得も可能です。

ガラススケール、校正証明書

また上述の両側テレセントリックレンズはその性能上、レンズ口径が大口径になります。これは撮像できるサイズが広くなるほど、レンズ自身が太く、重くなり、もちろん価格も高額となります。
そのため約150mm以上の寸法計測には両側テレセントリックレンズを組み込むことが現実的ではなくなります。
弊社でも360mm迄寸法計測できるWideモデル1m迄寸法計測できるLongモデルもございますがこれらには両側テレセントリックレンズは組込むことができません。
代わりに2000万画素の高画素カメラ2000万画素対応の固定焦点レンズで対応しています。
この固定焦点レンズは先程の両側テレセントリックレンズとは異なり、撮影距離により倍率(寸法)も変動し、またレンズ歪みもあるレンズになります。いわゆる寸法変動があり、尚且つレンズによる像の歪みも大きく、高精度な寸法測定に向かないレンズです。
弊社では下記のような対応で精度を高めています。

高低差があっても全長360mmまで測定できるモデル

  • Wide 360mm×360mm
    レンズ歪み補正、高さ校正で立体形状でも寸法計測できるモデル
  1. レンズ歪み補正金属プレートを使用し、ソフトウェア処理する。
    →レンズ歪みの補正をソフトで画像処理し、対応する。
  2. 5種類の高さ違い寸法校正用ステンレスブロックを使用し、ソフトウェア処理する。
    →撮影距離によるサイズ変動をそれぞれの高さ違いで寸法校正することで対応する。

 

1m迄寸法計測できるLongモデル

  • Long 1,000mmx750mm
    正方形、長方形薄物シート状の縦と横だけ寸法測定モデル
  1. 測定出来るワーク対象を薄物(紙、樹脂、金属板等)のシート状に限定する。
    →撮影距離を一定に保つことで倍率(寸法)変動させない。
  2. 特定箇所の縦と横の寸法測定だけに限定する。
    →特定箇所に限定することでその特定箇所で寸法校正し、レンズ歪みに対応する。

②照明編

照明も精度に大きく影響します。高精度に計測するには投影機のような影で計測するのが最良です。そのため外形寸法の測定になります。
このときの照明は透過照明(バックライト)型になるのですが、拡散光タイプであることが多いです。この拡散光はこの高精度な計測には向いていません。

平行光透過照明

拡散光は斜め方向にも照射されてしまいます。これだと、カメラに取付けたレンズは両側テレセントリックレンズで平行光をカメラで捉えるよう構築しても、光源側が斜めに光を拡散照射してしまっては意味がありません。光源の光照射方向が平行光線ではないという意味です。

またサンプルの表側にも光の巻き返しが発生する恐れが高いため、エッジ境界が取りにくくなってしまいます。エッジ境界がハッキリしないと精度は落ちるのは言わなくてもお分かりだと思います。
この透過照明を平行光線にするために、照明(光源)側にも両側テレセントリックレンズを組み込みます。ということは自動寸法測定器1台に高額な両側テレセントリックレンズが2本となり、一気に価格が跳ね上がります。これが自動寸法測定器は高額である理由の一つでもあります。
弊社では、両側テレセントリックレンズを使用しない、平行光線型の透過照明を開発し、それを組み込むことによって、低価格な自動画像寸法測定器を作り上げました。
その価格は他社と比較し、なんと1/4の低価格に抑える自動画像寸法測定器になりました。

平行光透過照明を組み込んだ高精度モデル

③自動画像寸法測定器の水平度合い

自動画像寸法測定の水平度は精度に影響を及ぼします。上述のとおり、平行光線で測定したとしても、測定器自体が水平でないと精度が落ちます。
またサンプル自体の置き方も水平である必要があります。

弊社の自動画像寸法測定器には全て、水平器が標準装備しており、測定器としての水平、カメラ角度の水平度合いを確認でき、お客様の測定現場の状況に合わせて水平を取ることができます。
特にWideタイプLongタイプにはカメラ角度、水平度調整のためのゴニオメーターを標準装備しております。

3.ソフトウェア

画像中計測をするときにはソフトウェアで自動計測しますが、このソフトウェアの使い勝手も重要な選定ポイントとなります。
弊社の自動画像寸法測定ソフトウェアは『とにかく簡単』

  1. サンプル置き、クリック一つでポンとエッジ取得してくれます。
  2. 任意の測定箇所を指定したり、追加したりして、品種登録を行います。
  3. あとはサンプルを置き換え、品種測定、サンプル置き換えを繰り返すだけ。

他にも便利な機能が

  1. 簡単!位置合わせ不要
    測定は対象物の位置を自動的に認識し、自動的に寸法測定します。回転にも対応
    位置合わせ不要
  2. 簡単データ保存
    測定値をエクセルデータ形式で保存可能です。静止画保存も可能です。
    簡単データ保存
  3. OK/NG判定できる
    公差下限、公差上限を設定することでOK/NG判定ができます。
    NGだった値は画像中の色を変更して表示できます。
    OK/NG判定
  4. ピンポイントデジタルズーム機能
    マウスのホイールを回すことで、計測ポイントをクリックする際にマウスカーソルが指示している点を中心にして、デジタルズームにて拡大することが可能です。
    ピンポイントデジタルズーム機能

画像寸法測定器置き換えのまとめ

現在では画像中での寸法測定が進んでおり、効率よく、ヒューマンエラーのない寸法測定が実現できるようになりました。
今回は、自動画像寸法測定器選定のポイントをいくつか紹介しました。
その目的にあったタイプを選定しただくことが重要です。
上記のように自動画像寸法測定を行うためには様々な各パーツの選定が必要です。
この選定には光学知識やノウハウが必須であり、各パーツ同士のバランスも検討する必要があります。

自動画像測定器

ですが弊社の自動画像測定器であれば全てシステム内容にセットされています。
もちろんそれぞれの各パーツごとの組合せバランスを鑑みたシステム構成になっております。
デモ機がございますので、実際にお貸出しにてご評価下さいませ。

上記以外にも測定スピード、置き場所などもポイントになりますがそれはまたの機会に・・・。

 

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