収差とは

収差とは、光学系において理想的な結像からのズレを言います。
大きく2つにわけると、色収差と単色収差に分かれます。
さらにここから細かく分かれます。
・色収差(軸上色収差、倍率色収差)
・単色収差(球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、湾曲収差)

各収差の詳細な説明は省きますが、
・色収差は、波長(色)によって屈折率が異なることが原因で発生します。
 色ズレ、色滲みという症状が画面上に発生します。
・単色収差(湾曲収差以外)はレンズを通過るする光の入光角度の違いや通過する位置の違い
 (レンズの内側、外側)で屈折率が異なることが原因で発生します。
 輪郭のボケや滲みという症状が画面上に発生します。

*湾曲収差はボケの発生はありません。画面の周囲(端)で直線が湾曲する症状になります。
 湾曲の症状により、糸巻型と樽型に分かれます。
 (湾曲収差については「ディストーションとは」を御参照ください。)

<色収差について>
理想的には1点で焦点が結ぶのですが、波長により屈折率が異なる為、焦点位置がずれてしまいます。これが画面上の色ズレ、色滲みとして発生します。

色収差

10円玉の表面を1000倍で撮影した写真です。
上の写真は兼価版の超高倍率マイクロスコープ(SH140CCD-2R)で撮影したもの。
下の写真は高性能レンズを使った超高倍率マイクロスコープ(USH140CCD-H1)で撮影したものです。

●兼価版の超高倍率マイクロスコープ(SH140CCD-2R)で撮影したもの
色収差  
   
●高性能レンズを使った超高倍率マイクロスコープ(USH140CCD-H1)で撮影したもの
色収差  

上の写真(兼価版の超高倍率マイクロスコープ(SH140CCD-2R)で撮影したもの)の1部を拡大すると色ズレをおこしていることがわかります。

<単色収差>
理想的にはレンズのどこを通過しても、どのような角度で入光しても焦点位置は同一面上にあります。これが屈折率の違いで焦点位置がずれてしまいます。
これが輪郭のボケや滲みとして発生します。

単色収差

シリコンウエハーの表面1000倍で撮影した写真です。
左の写真は兼価版の超高倍率マイクロスコープ(SH140CCD-2R)で撮影したもの。
右の写真は高性能レンズを使った超高倍率マイクロスコープ(USH140CCD-H1)で撮影したものです。

単色収差 単色収差
超高倍率マイクロスコープ
(SH140CCD-2R)で撮影したもの
超高倍率マイクロスコープ
(USH140CCD-H1)で撮影したもの

左の写真は輪郭がぼけて膨らんでいます。

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