顕微鏡用カメラの視野と倍率の考え方

顕微鏡を裸眼で観察すると、視野は丸くなります。
0.5mm刻みのガラススケールをテストサンプルにしています。)

これをカメラで撮影すると4:3の長方形となり、見た目よりは拡大されて撮影されます。
また、カメラ接続部(リレーレンズ)の倍率、カメラの撮像素子サイズ、等でも視野が変わってしまいます。(組合せで赤色の視野にも青色の視野にもなります。)
これをモニタ倍率で表現することもできます。(計算することもできます。)

■カメラ接続部がCマウントの場合
顕微鏡側のカメラの接続部がCマウントの場合、Cマウント部にも倍率があります。

顕微鏡購入時に指定をしないと等倍(1倍)のCマウントアダプタが付属されることが多いようです。

倍率計算は下記の通りです。
モニタ倍率 = 対物レンズの倍率 × Cマウントの倍率 × (モニタの対角長/カメラ撮像素子の対角長)
となります。

1/2.5インチのカメラ(カメラ撮像素子の対角7mm)、
19インチモニタ(対角470mm)、
Cマウント部(等倍)、
対物レンズ10倍
で確認しました。

<計算倍率> 
10倍 X 1倍 X (470mm/7mm)= 670倍

視野は下写真のようになります。

19インチモニタの水平方向の寸法が370mmなので、右の写真が画面一杯に広がったとすると

<実測倍率>
370/0.55mm=672倍
 

となります。
計算倍率(モニタ上での倍率)と実測倍率が一致します。

視野を広げる場合は、Cマウントアダプタの倍率を下げます。
弊社も等倍(標準装備)と0.5倍(オプション)をご用意しています。

他社様もカタログを確認すると色々な倍率があるようです。

■カメラ接続部がJIS鏡筒の場合

顕微鏡側のカメラの接続部がJIS鏡筒の場合、JIS鏡筒では倍率を変えることができません。(等倍です。)
この鏡筒にカメラを接続する場合はカメラ側にリレーレンズがついています。このリレーレンズに倍率があります。

倍率計算は下記の通りです。

モニタ倍率 = 対物レンズの倍率 × リレーレンズの倍率 × (モニタの対角長/カメラ撮像素子の対角長)
となります。

1/2.5インチのカメラ(撮像素子対角7mm)、
19インチモニタ(対角470mm)
リレーレンズ(0.45倍)、
対物レンズ10倍 
で確認しました。

<計算倍率>
10倍 X 0.45倍 X(470mm/7mm)= 302倍

19インチモニタの水平方向の寸法が370mmなので、右の写真が画面一杯に広がったとすると

<実測倍率>
370/1.2mm=308倍

となります。
計算倍率(モニタ上での倍率)と実測倍率が一致します。

弊社では0.45倍と0.37倍のリレーレンズをご用意しております。
出荷時にカメラの撮像素子のサイズ等により使い分けてお客様にご提供しております。