カメラのイメージサイズ(撮像素子サイズ)

工業用のCマウントカメラの仕様書には必ず、「イメージサイズ」「撮像素子サイズ」「センササイズ」(すべて同じ意味です。)が記載されています。

撮像素子サイズの使い方

同じレンズを装着した場合、素子サイズが小さい方が視野が狭くなります。
また、このサイズは、視野の計算(レンズの選択)時に必要な値となります。
(これについては後段で詳細にご説明します。)

 

 

1画素のサイズも撮像素子サイズで計算できます。

例えば、130万画素(1280dot×1024dot)の撮像素子サイズが1/2.5インチとします。

1/2.5インチサイズの素子の水平方向は5.6mm 垂直方向は4.2mmです。

この場合、

水平方向 5.6mm/1280dot=0.0044mm/dot

垂直方向 4.2mm/1024dot=0.0041mm/dot    となります。

 

撮像素子サイズの意味

 

 

通常、モニタ等でサイズといえば、対角の長さを示します。

ところが、撮像素子サイズは対角の長さではありません。

例えば、前出の130万画素 1/2.5インチ 素子であれば、

水平 5.6mm 垂直 4.2mmは決まっています。

ここから計算すると対角は7mmとなります。

ところが、1/2.5インチは 10.16mmとなります。あきらかに異なっています。

これは、真空管を使っていたころの撮像管の直径のサイズ表記の名残で、

撮像素子も撮像管のサイズに合わせていたので、そのままのサイズ表記が残っています。

 

実際の撮像素子サイズ

水平、垂直が 4:3の撮像素子

 

水平、垂直が 4:3の撮像素子
水平、垂直が 16:9の素子サイズ
 

水平、垂直が 16:9の素子サイズ

 

撮像素子サイズの実際の使い方

 

 

必要なレンズの選択、対象物までの距離計算に撮像素子サイズを使います。

 

 

(1)CCTVレンズ(固定焦点レンズ)の場合

 

撮影したい対象物の大きさから、必要なレンズを計算してみます。

この時、必要なのは、「カメラの撮像素子サイズ」と「対象物までの距離(W.D.)」となります。

 

CCCTVレンズ(固定焦点レンズ)の場合

例えば、1メートルの距離(W.D)で垂直視野300mmを確保したい場合、f値が

何mmのレンズを選んだらいいのでしょうか。(1/2インチカメラを使うとします。)

1/2インチカメラの撮像素子サイズは下記の通りです。

 

 

1/2インチカメラの撮像素子サイズ

f値 =(対象物までの距離(mm)× 撮像素子の垂直サイズ(mm))/垂直視野

     = (1000mm×4.8mm)/ 300mm = 16mm

f=16mmのレンズを選ぶと、希望の垂直視野が確保できます。

水平視野も同様に計算ができます。

 

ちなみに、垂直、水平のどちらか一方が計算できていれば、もう片方は計算を

しなくても簡単に算出できます。

スクエア型の撮像素子であれば、縦横比が4:3ですので上記の場合、

300mm×4/3=400mm の 水平視野なります。

 

(2)マクロレンズの場合

 

対象物を拡大撮影するレンズの場合、焦点距離が決まっているものがほとんどです。

この場合、f値ではレンズ性質を表現することができません。

マイクロレンズ場合は、光学倍率で表現をします。

 

光学倍率が ×1(1倍)のレンズであれば、観察したい視野と

撮像素子のサイズが一致します。

例えば、

1/3インチ素子のサイズは、4.8mm×3.6mm

1/2インチ素子のサイズは、6.4mm×4.8mm となります。

これを踏まえて、弊社マクロレンズの仕様書をみていただければと思います。

 

 

マクロレンズ

 

その他にマクロレンズを使った場合の

総合倍率(最終的にモニタに表示された時の倍率)の計算にも

撮像素子サイズを使います。

(詳細は「マイクロスコープの倍率の考え方」を御参照ください。)

 

 

<撮像素子サイズから選ぶ産業用カメラ一覧>

 

 

  USBカメラ CSシリーズ USBカメラ DNシリーズ GigEカメラ
1/1.1インチ

CS1200-GC(1200万画素・カラー) /

CS1200-GB(1200万画素・モノクロ)

 

EG1200-GC(1200万画素・カラー)

EG1200-GB(1200万画素・モノクロ)

1/1.7インチ

CS1200-C(1200万画素・カラー) 

CS1200-B(1200万画素・モノクロ)

 

EG1200-C(1200万画素・カラー) /

EG1200-B(1200万画素・モノクロ)

1/1.8インチ  

DN3RG-130(130万画素・カラー) /
DN3RG-130BU(130万画素・モノクロ)

 

DN3RG-200(200万画素・カラー) 
DN3RG-200BU(200万画素・モノクロ)

EG320-C(320万画素・カラー) /

EG320-B(320万画素・モノクロ)

 

EG600U-C(600万画素・カラー)

EG600U-B(600万画素・モノクロ)

1/2.3インチ   DN3R-1000(1000万画素・カラー)  
1/2.5インチ CS500-C(500万画素・カラー) /
CS500-B(500万画素・モノクロ)
DN3R-500(500万画素・カラー)  
1/2.9インチ

CS41-C(40万画素・カラー) /

CS41-B(40万画素・モノクロ)

 

EG41-C(40万画素・カラー) /

EG41-B(40万画素・モノクロ)

1/2インチ

CS130U-C(130万画素・カラー) 

CS130U-B(130万画素・モノクロ)

 

CS500U-GC(500万画素・カラー) /

CS500U-GB(500万画素・モノクロ)

 

EG130U-C(130万画素・カラー) 

EG130-B(130万画素・モノクロ)

1インチ

CS2000-C(2000万画素・カラー) 

CS2000-B(2000万画素・モノクロ)

 

EG2000-C(2000万画素・カラー) /

EG2000-B(2000万画素・モノクロ)

2/3インチ    

EG501-C(500万画素・カラー) 

EG500-B(500万画素・モノクロ)

 

 

 

まとめ

撮像素子サイズは「視野の計算」や「レンズの選択」の際に必要な値。
CCTVレンズの場合は
f値 =(対象物までの距離(mm)× 撮像素子の垂直サイズ(mm))/垂直視野
で希望の垂直視野が確保できるレンズが計算できます。
マクロレンズの場合は

総合倍率(最終的にモニタに表示された時の倍率)の計算に撮像素子サイズを使います。